全学共通科目講義(1回生~4回生対象)
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現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。 | |
日時: | 2018年6月1日(金) 16:30-18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 照井 一成 准教授 |
題目: |
NASH村の命名規則:整列擬順序の理論へ
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要約: |
人名をひらがなで表す。名前AがBに埋め込めるとは、Bからいくつか文字を取り除くと
Aになることをいう。たとえば「ゆか」は「ゆうか」や「かゆかゆ」に埋め込めるが
「かゆゆ」には埋め込めない。さて、NASH村では次々と子供が生まれていくが、
新生児の命名にはひとつきまりがあり、過去に
生まれた子の名前が新生児の名前に埋め込めてはならないとする。この命名規則は
いつまでも維持可能だろうか?それともいつかは新生児に名前をつけられない事態が
生じるだろうか?「生じる」というのがHigmanの定理(1952)である。
この定理はNash-WilliamsやKruskal等
多くの研究者によって一般化され、今でも研究は発展し続けている。
本講義ではこの問題を取り掛かりとして、整列擬順序理論の一端を紹介したい。
参考文献:
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"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html" |