全学共通科目講義(1回生~4回生対象)
|
現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
| |
第9回 | |
日時: | 2004年6月25日(金) 16:30-18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 川北 真之 助手 |
題目: | 代数幾何学への招待 |
要約: [pdf] |
代数幾何学で扱う幾何学的対象は代数多様体と呼ばれる対象です。
代数多様体とは、多項式の共通零点集合で定義される図形です。
例えば n を自然数として、x^n+y^n=1 を満たす (x,y) 全体は代数多様体となります。 1) (x,y) を有理数の組としましょう。 このような (x,y) は n が 2 以下ならば無限個存在しますが、 n が 3 以上だと自明な点以外存在しません。(フェルマーの定理) 2) (x,y) を実数の組としましょう。 このような (x,y) 全体は n=1 なら直線、 n=2 なら円、n が 3 以上なら円を膨らませたような図形になります。 3) (x,y) を複素数の組としましょう。 このような(x,y)全体はどのような図形になるでしょうか? 上で挙げた例は1次元代数多様体、つまり曲線の例です。 それでは、2次元代数多様体、 つまり曲面を考えるとどのような多様体が出てくるでしょうか? さらにもっと次元を上げていくと...? 高次元代数多様体すべてを考えるには、余りに膨大すぎます。 そこで、まず何か同値類で分類することが賢明です。 次に各同値類から調べやすい対象を抽出し、最後に、 抽出された各代数多様体を研究します。これが分類理論の立場です。 講義では代数多様体の定義から出発し、 高次元代数多様体の分類理論の最新までの経緯を簡単に紹介します。 |
"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/zengaku/index.html" |