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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり
授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第1回
日時: 2005年4月15日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 熊谷 隆 助教授
題目: ランダムウォークと調和解析学
"Gendai no Suugaku to Suurikaiseki, 4/15" (Lecture for Undergraduates, in Japanese)
要約:
様々な空間の上で熱や波動がどのように伝播するかという問題に、 数学者はどのように取り組んでいるのでしょうか?  この講義では、設定を簡単にするために空間としてグラフを考え、 その上の電気回路を扱います。 高校で習った(習っていなくても気にしないで下さい) オームの法則・キルヒホッフの法則といった法則が、 離散調和解析と呼ばれる数学を用いてどのように表現されるかを学び、 この電気回路に対応するランダムウォークの挙動が、 回路の持つエネルギーとどのように関係するかを紹介します。 このような離散モデルを用いて、実解析学、偏微分方程式論、 確率論といった数学がどのようにつながっているか、 その雰囲気を感じ取って頂くことを目標としたいと思います。 講義の後半では、グラフの上の熱伝導について、 確率論と解析学の接点にあたるところでどのような研究がなされているかをいくつか紹介したいと思います。

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/zengaku/index.html"

 

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