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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり
授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第12回
日時: 2011年7月8日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 大槻 知忠 教授
題目: 結び目と不変量
要約:
円周を3次元ユークリッド空間にうめこんだものを結び目という。 結び目に対して定まる量で、変形してうつりあう結び目に対して同じ値をとる ようなものを不変量という。 不変量は、結び目の型によって定まる固有の量であり、 その結び目がどんな結び目であるのかを記述する言葉である。 1980年代に、数理物理的手法がトポロジーに導入されたことにより、 結び目の不変量が大量に発見された。
この講義では、結び目の代表的な不変量であるジョーンズ多項式について説明し、 量子論に由来する不変量について概観を紹介する。


参考文献

  1. W.B.R. Lickorish, "An introduction to knot theory", Graduate Texts in
     Math. 175, Springer-Verlag, 1997.
  2. 村上順、「結び目と量子群」、朝倉書店
  3. 大槻知忠(編著)、「量子不変量」、日本評論社
  4. 「数理科学」2009年10月号 特集:数学と物理に広がる不変量、
    サイエンス社


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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