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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり


授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第7回
日時: 2011年5月27日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 望月 拓郎 准教授
題目: トポロジーへの招待
要約:
この講義では, トポロジーの初歩的な事柄について解説します.
トポロジーの歴史は比較的浅いのですが, 現代の幾何学を語る上で欠かせないだけでなく, 数学全般において重要な役割を果たしています. 数学を専攻される方には専門の授業がありますが, むしろ数学を専攻されない方にさわりだけでも 触れておいてほしい題材です.

トポロジーでは, 高校までの幾何学よりも粗い方法で図形を認識します. 例えば, 円盤は(中身のつまった)三角形と本質的に同じ(同相)とみなされます. さらに粗く, 一点と本質的に同じ(ホモトピー同値)とみなされることもあります. 一方, 円盤と穴のあいた円盤は本質的に全く違うものとして区別されます. 直感的には連続的に変形できるものは本質的に同じ, ということなのですが, このような直感を数学的にきちんと定式化し, 空間のトポロジー的な意味での複雑さをはかる量 (位相不変量, ホモトピー不変量)を研究することで, 与えられた図形を識別できるようにしていくことが, トポロジーの主要な目的の一つです.
この講義では, 「同相」や「ホモトピー同値」の定義や例を説明してから, 最も代表的なホモトピー不変量の一つである基本群を紹介します. 基本群はトポロジーに留まらず, 数学のいろいろな分野で顔をだします. その一つとして, 複素領域上の線形微分方程式と, その領域の基本群の密接な関係も紹介したいと思います.


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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