全学共通科目講義(1回生~4回生対象)
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現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
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日時: | 2012年7月13日(金) 16:30-18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 長谷川 真人 教授 |
題目: | 型付きラムダ計算の話 |
要約: |
ラムダ計算(lambda calculus)は、理論計算機科学において重要な
役割を果たす計算体系です。この講義では、もっとも基本的な単純
型付きラムダ計算(simply typed lambda calculus)に限定して、
ラムダ計算の「3つの顔」について解説したいと思います。
1つ目の顔:「計算モデルとしてのラムダ計算」 ラムダ計算には単純かつ強力な計算規則(β簡約)が備わっており、 ラムダ計算の要素(ラムダ項)は、そのままプログラムとみなして 実行することが可能です。 2つ目の顔:「証明の理論としてのラムダ計算」 型付きラムダ計算のデータ型を論理式、ラムダ項を証明と捉える ことにより、ラムダ計算を、形式的な論理体系とみなすことが 出来ます。 3つ目の顔:「代数系としてのラムダ計算」 単純型付きラムダ計算(とそのモデル)は、自然に、カルテジアン 閉圏(Cartesian closed category)と呼ばれる圏論的な構造を 定めます。
1つ目の顔と2つ目の顔を組み合わせることにより、計算の世界と 論理の世界の深い結び付きが明らかにされてきました(Curry-Howard 対応)。2つ目と3つ目の顔は圏論的論理・圏論的型理論の分野で 基本的な役割を果たします。最後に、1つ目と3つ目の顔の関係は、 プログラミング言語の意味論(semantics of programming languages) と呼ばれる研究分野の骨子をなすものです。 |
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