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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり


授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第1回
日時: 2012年4月13日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 照井 一成 准教授
題目: 数学基礎論から計算機科学へ
~コンピュータはいかにして生まれたか~
要約:
「数学する」ことについて数学することを数学基礎論という。
数学基礎論は、19世紀末における集合論のパラドックスの発見に始まり、 20世紀初頭のヒルベルトのプログラム、 ゲーデルの不完全性定理を経て、やがて 1930年代にテューリング・マシンの概念を産み出すこととなった。 テューリングによるこの純粋に基礎論的な考案が、 ハードウェアとしてのコンピュータの源となったことはよく知られている。 一方、同じくヒルベルトのプログラムの影響のもと、 ゲンツェンは数学理論の無矛盾性証明のための強力な方法論を 展開した。それはやがて20世紀後半、 「証明=プログラム」というパラダイムの もとでプログラミング言語(とくに関数型プログラミング言語)の 基礎理論へと結実することになる。
本講義では、このあたりの事情について、予備知識を一切 仮定せずにざっくばらんに論じる予定である。

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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