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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第8回
日時: 2016年6月3日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 河合 俊哉 准教授
題目: 相空間量子化入門
要約:
量子力学の教科書を開いてみると、ハイゼンベルグ等によって構成された行列力学とシュレディンガーによる波動力学が二つの代表的な量子化法として紹介されている。しかしながら、歴史的には遅れて登場したものの、これらと対等な「相空間量子化」あるいは「変形量子化」と呼ばれる``第三の方法''も知られている。学部の講義では通常触れる機会が余りないこの量子化のアプローチに関して入門的な解説を試みたい。

参考文献:

  • F. Bayen et al, Deformation theory and quantization. I. Deformations of symplectic structures, Annals of Physics 111 (1978) 61--110.
  • F. Bayen et al, Deformation theory and quantization. II. Physical applications, Annals of Physics, Annals of Physics 111 (1978) 111--151.
  • C. Zachos, D. Fairlie, and T. Curtright, Quantum mechanics in phase space: an overview with selected papers, World Scientific Pub Co Inc, 2005.

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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Research Institute for Mathematical Sciences (RIMS)