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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり



授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第7回
日時: 2017年6月2日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 照井 一成 准教授
題目: 多値論理への招待
要約:
数学の論証は、普通古典論理にのっとって進められる。古典論理の基本的な考え方は、 どんな文も「真(=1)」か「偽(=0)」のどちらかであるというものであるが、 それに加えて「どちらでもない(=0.5)」 を認めるような“論理”を考えることも原理上は可能である。 さらにいえば、[0,1]上の任意の実数値をとりうるような論理を 考えることもできる。その代表例はŁukasiewiczの無限多値論理である。

本講義では、この論理について代数的性質や表現定理を見ていき、 最後に時間があればブラウワーの不動点定理との関係について触れたいと思う。

参考文献:

  • 小野寛晰, 情報科学における論理, 日本評論社, 1994.
  • 照井一成, コンピュータは数学者になれるのか?数学基礎論から証明とプログラムの理論へ, 青土社, 2015.

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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