数学入門公開講座

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令和4年度 第43回数学入門公開講座
    (オンライン同時開催)

今年度の公開講座は終了致しました。テキスト全文の掲載は10月頃の予定です。

令和4年8月1日-8月4日(第43回) 演題及び講師


フラクタル上のラプラシアン・熱方程式入門
准教授・梶野 直孝

空間内の領域を占めている均質な媒質における温度分布の経時変化が、 「時間変数に関する 1 階偏微分が空 間変数に関する 2 階偏微分の和(ラプラシアン)に等しい」という形の偏微分方程式(熱方程式)の解とし て記述できることはよく知られています。一方、確率論や統計物理学では「フラクタル」と呼ばれる、Euclid 空間内の領域とは全く異なる幾何的性質を有する図形が様々な背景の下自然に現れ、そのような図形におい てラプラシアンや熱方程式を厳密に定式化し解析することは近年の確率論研究の重要テーマとなっています。 本講義では、最も基本的なフラクタルである Sierpinski gasket を例に取り、その上のラプラシアン・熱方程 式の厳密な定式化と基本性質について解説します。

不変量で見るトポロジー
助教・石川 勝巳

与えられた 2 つの図形が同じものか判定せよというのは幾何学の基本的な問題の 1 つですが、何を以て「同じ」とするかは分野によって様々です。例えばトポロジーという分野では繋がり方が同じ図形は全て同じものとみなして考えるので、一見すると全く異なる図形が実は同じものだったというようなことが起こります。そのような状況で図形を調べるのに便利なのが、見かけの形に依らず変わらない値を取る「不変量」を用いるという考え方です。抜き出してきた本質的な情報から元の対象を調べるという意味でこのような考え方は数学の至るところに現れますが、今回は特に低次元トポロジーを題材に不変量の世界をご紹介したいと思います。

日常を彩る流体力学:「ながれ」の数理モデル
准教授・石本 健太

決まった形を持たず、刻一刻と変化する流体の運動は、捉えどころない印象を持ちます。Euler 以降250年以上に渡り、人類は流体運動、そして流体方程式の見せる様々な表情を追いかけてきました。流体力学の枠組みは、水や空気といった古典的な対象だけでなく、今や生物や宇宙に至るまで、その領域を拡げています。 本講義では、身の回りの現象を例にとりながら、流体力学を数理モデルの観点から捉え直し、普段から目にしているにもかかわらず、「見えていなかった」流体力学の豊かな世界を紹介したいと思います。

◇特別講演◇


数理最適化による社会の課題解決
(株) NTT データ数理システム・藤井 浩一氏

機械学習やビッグデータ分析など、高度な数学が実社会に影響を与えることが増えてきました。数理最適化もそのような数学の一つです。歴史的には「オペレーションズ・リサーチ」という軍事的研究から生まれた数理最適化が、コンピュータの発展とともに、現代社会の課題解決には欠かせない数学となっていきました。本講演では、数理最適化の基本的な考え方やアルゴリズム手法を初等的に解説し、身近な問題の解決にどう活躍しているかについて紹介します。

バックナンバー
(講義ノート)

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Research Institute for Mathematical Sciences (RIMS)