数学入門公開講座

今年度の公開講座は終了致しました。公開講座テキスト全文を公開します。

2016年8月1日-8月4日(第38回) 演題及び講師


結び目の数学    スライド: 1  2  3  4              特任助教・鈴木 咲衣

 ひもを結ぶと結び目ができます。靴ひもの蝶ちょ結び、荷造りのひもの堅結び、ひもで綺麗な模様を形作る装飾品など、結び目は日常生活でもしばしば現れるとても身近な存在です。そんな結び目の研究が近年、数学の一分野として急速に発展しています。「結び目で数学?何をするの?」と思うかもしれません。でも、数学は自由。数や多項式だけではなく、結び目でも数学ができます。この講義では、結び目の数学を基礎からゆっくりお話し、結び目の不変量であるジョーンズ多項式を計算します。

プログラミング言語の意味論と圏論                 教授・長谷川 真人

 プログラミング言語の意味論(プログラム意味論)は、プログラムの構造を数学的に定式化・抽象化することによってコンピュータソフトウェアに関する諸問題を解決することを目的とする、コンピュータサイエンスの一分野です。そこでは、抽象的な現代数学の象徴とも言われる圏論が活発に応用されてきており、今や圏論抜きにプログラム意味論を語ることは困難といっても過言ではありません。
 この講義では、圏論を用いたプログラム意味論の概要を紹介しつつ、そもそもプログラム意味論に求められる数学とはどのようなものなのか、なぜ圏論なのか、という素朴な疑問に、私なりに答えてみたいと思います。

微分方程式を解く                               講師・岸本 展

 微分方程式は様々な自然現象を理解するための基本的な道具であり、数学に限らず多くの分野における重要な研究対象です。一方で、特に非線形偏微分方程式については、中学・高校で学習する2次方程式のような解の公式がなく、具体的な解の表示はおろか解が存在するかどうかさえ簡単な問題ではありません。例えば、空気や水といった流体の運動を記述するNavier-Stokes方程式は私達にとって最も身近な非線形偏微分方程式の一つですが、この方程式に“良い性質を持った”解がいつでも存在するかどうかは途方もなく難しい問題で、Clay数学研究所によるミレニアム懸賞問題の一つとなっています。この講義では、微分方程式を構成する関数や微分といった基本的な事柄について触れつつ、最終的には簡単な非線形偏微分方程式を、関数解析的手法により実際に“解いて”みたいと思います。

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(講義ノート)