談話会/Colloquium

Title

超平面配置のトポロジー、極小セル分割とその周辺

Date

2007年12月19日(水) 15:00〜16:00   (14:30-15:00 205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室127大会議室(理3号館)

Speaker

吉永 正彦 氏(神戸大・理)

Abstract

 超平面配置やその補集合のトポロジーに関しては多くの研究があるが、 数年前に Dimca, Papadima, Randell 等によって、「極小セル複体」 と呼ばれるセル分割の存在が発見された。この結果は、超平面配置の 補集合が非常に効率の良いセル分割を持つことを示しており、 多くの応用が期待されている。しかし現状はセルの貼りつき写像の 決定がネックとなり、未だ極小セル分割の完全な記述ができているとは 言い難い状況である。
 本講演では、Dimca 等による極小性の証明の概略から始め、 超平面配置が実数体上定義されている場合の最高次元セルの 貼りつき方に関する結果、およびその 局所系係数ホモロジーへの応用について紹介をしたい。

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Title

Plato's Cave: what we still don't know about generic projections

Date

2007年12月19日(水) 16:30〜17:30   (14:30-15:00 205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室127大会議室(理3号館)

Speaker

David Eisenbud 氏(U.C. Berkely)

Abstract

 Riemann Surfaces were first studied algebraically by first projecting them into the complex projective plan; later the same idea was applied to surfaces and higher dimensional varieties, projecting them to hypersurfaces. How much damage is done in this process? For example, what can the fibers of a generic linear projection look like? This is pretty easy for smooth curves and surfaces (though there are still open questions), not so easy in the higher-dimensional case. I'll explain some of what's known, including recent work of mine with Roya Beheshti, Joe Harris, and Craig Huneke.

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Title

タイヒミュラー空間のCAT(0)-有限ランク性について

Date

2007年12月12日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

山田 澄生 氏(東北大・理)

Abstract

 タイヒミュラー空間に双曲計量の変形テンソルのL^2 pairingである ベイユ・ピーターソン計量を課したときにあらわれる幾何学は、多く の意味でカルタン・アダマール多様体との類似性を持っていることが 近年の研究で明らかにされてきた。特に一般化された意味での曲率が 非正(CAT(0))であること、および等長変換群である写像類群の作用の 性質は、非コンパクト対称空間の幾何学的構造、およびその等長変換 群の作用の性質との強い相関性を持っている。本講演ではこの類似性 を幾何学的な観点から紹介する。
 具体的には、タイヒミュラー空間の境界においては、局所コンパクト 性がなく、多様体の構造がないにもかかわらず、凸解析の言葉を用い ることによって、有限ランク性をとらえることが可能であることを紹 介したい。この結果は調和写像のターゲットとしてタイヒミュラー空 間を使うとき、写像の存在に関する判定条件がフラットの次元が有限 な対称空間と同じであることを誘導する。この結果の証明において、 多様体上では自動的に成立(Hopf-Rinow)する二つの完備化、つまり metric completionとgeodesic completionのCAT(0)-空間上での非自明 な関係が重要となることが興味深いと思われる。

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Title

クラスター傾理論

Date

2007年12月5日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

伊山 修 氏(名大・多元数理)

Abstract

 森田理論や傾理論は、多元環の加群圏や導来圏の同値を扱うものだが、 クラスター傾理論は、大雑把に言うと、与えられた多元環Λを性質の 良い多元環Γの一部として扱うものである。Γの性質の良さとしては、 大域次元の有限性に加えて一種のGorenstein条件を要請する。その典 型は、Auslander-Reiten理論の出発点となる次の結果にある。
 定理(Auslander, 1971) 有限表現型有限次元多元環Λの森田同値類全 体と、大域次元が2以下でdominant次元が2以上の有限次元多元環Γの 森田同値類全体の間に、一対一対応が存在する。対応はΛに対して、 全ての直既約Λ-加群の直和をMとした時、Γ:=End_Λ(M)により与えら れる。
 この定理の類似として、大域次元がn以下でdominant次元がn以上の多元 環を考察すると、有限表現型多元環の代わりに(n-1)-クラスター傾加群 と呼ばれる対象が出現する。2-クラスター傾加群は、Fomin-Zelevinsky のクラスター多元環の圏論化を与えるものとして盛んに調べられている。 またn次元Gorenstein環上の(n-1)-クラスター傾加群からは、n次元の Calabi-Yau多元環が得られる。講演ではクラスター傾加群の幾つかの例 を紹介する。

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Title

気象学分野におけるトレンドの検出について

Date

2007年11月28日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

西澤 誠也 氏(京大・理)

Abstract

 近年の地球温暖化問題をはじめとして、外部条件の変化による 大気変動の長期傾向であるトレンドが大きな関心を集めている。 非正規な大気内部変動、観測機器の変化などによるデータの質の ギャップ、データの自己相関などが存在するため、有限長データから トレンドを見積もることは、簡単な問題ではない。気象学分野では、 大気変動が正規分布に従うと仮定し、線形回帰およびt-検定が 用いられることが多い。しかし、大気変動には非正規な変動が 数多く存在する。そこで、分布関数のエッジワース展開を用いる ことで、非正規性を考慮にいれることができる。また、近年では、 Mann-Kendall法やBootStrap法などのノンパラメトリックな手法も 用いられるようになってきた。これら、気象学分野で用いられている トレンドの検出法について解説する。
 また、平均値の変化だけでなく、異常気象など極端な現象が出現する 頻度におけるトレンドも重要な問題である。このトレンドの検出法に ついても触れる。

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Title

群上のランダムウォークと群フォンノイマン代数上のある加群の関係

Date

2007年11月21日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室127大会議室(理3号館)

Speaker

尾國 新一 氏(京大・理)

Abstract

 有限生成な無限離散(従順)群G上の単純対称ランダムウォークを考えます. 単位元からスタートして2nステップ後に単位元に戻る確率p(G)(2n)の漸近挙動が 群フォンノイマン代数上のある加群の`大きさ'と思えることを紹介します. このように思えることを使って, PittetとSaloff-Costeによって知られている いくつかの定理のconceptualな別証明を与えることが出来ます. ここでは, もっとも簡単な場合, すなわち, 群HがGの部分群ならば, p(H)の方が p(G)より`大きい'ということの証明を与えます.
 時間があれば, L2不変量との関連や, p(2n)がexponentialに 減少していく群, すなわち従順でない群の場合に関して触れたいと思います.

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大談話会


Title

Construction of geometric invariants by symplectic representations

Date

2007年11月14日(水) 14:40〜15:40

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室110講演室(理3号館)

Speaker

森田 茂之 氏(東大・数理)

Abstract

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Comment 15:40〜16:30 152セミナー室でTea Break

大談話会


Title

凸計画の情報幾何と多項式時間内点法

Date

2007年11月14日(水) 16:30〜17:30

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室110講演室(理3号館)

Speaker

土谷 隆 氏(統計数理研究所)

Abstract

 この10年余りのあいだに線形計画問題を拡張した凸錐上の線形計画問題が 多項式時間内点法で理論的にも実用的にも効率良く解けるようになり、 制御、機械学習、信号処理、統計科学、計算機科学等の諸分野において、 モデリングや解析のための強力な手法として研究されている。本講演では、 凸錐上の線形計画問題に対する内点法を、情報幾何という微分幾何的な立場 から論ずることを試みる。「計算複雑度」という計算の世界の複雑さを「曲率」 という図形の複雑さと結び付けることが、本研究の目的である。 凸錐上に Self-concordant 障壁関数による情報幾何的構造を導入する。そして、 Self-concordant 障壁関数を用いて構築される、凸錐上の線形計画問題に対する 多項式時間中心パス追跡法の反復回数が「中心パスの情報幾何学的な意味で の曲率積分」により厳密に表現できることを示す。さらに、古典的な線形計画問題 について中心パスの全曲率を評価し、ネットワーク問題については、全曲率が次元 の多項式で上から押さえられること等を紹介する。最後にこれらの結果の情報 幾何的意味付けについて議論する。本研究は小原敦美氏(大阪大)との共同研究 である.

Comment 15:40〜16:30 152セミナー室でTea Break

Title

双曲空間上のブラウン運動

Date

2007年11月7日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室127大会議室(理3号館)

Speaker

松本 裕行 氏(名大・情報)

Abstract

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Title

パンルヴェ方程式とモデュライ空間上の力学系

Date

2007年10月31日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室127大会議室(理3号館)

Speaker

岩崎 克則 氏(九大・数理)

Abstract

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Title

Affine Hecke代数の表現論とそれに付随する幾何学

Date

2007年10月24日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

加藤 周 氏(京大・数理研)

Abstract

 Hecke代数はルート系に付随して定義される代数で、同じくルート系に 付随して定義される群であるWeyl群の群環の変形とも考えられる環である。 また、affine Hecke代数とはaffine ルート系に対するHecke代数の事である。 このような代数の表現論はある種のChevalley群の表現論と密接な関わりがある為 古くから重要だと考えられてきた。また近年はA型affine Hecke代数に関する LLT-有木型定理等量子群の表現論との結びつきが発見され双方の表現論について 深い帰結が得られている。
 1パラメタのaffine Hecke代数の既約表現の(良いパラメタにおける)分類は p-進Chevalley群の岩堀球型表現との関係をたぐる形でp-進Chevalley群の いわゆるDeligne-Langlands分類の特別な場合として幾何学的再定式化と 若干の修正の後にZelevinsky, Kazhdan-Lusztig等によって実行された。
 しかし、一般にはaffine Hecke代数は複数のパラメタを持ち、その事には 表現論的な意味がある事が知られている。そしてその事に対応してある意味で 古典型のaffine Hecke代数の頂点に位置する代数である3パラメタのaffine C型Hecke代数にはDeligne-Langlands型分類の変形とも見なす事のできる 記述が存在する。
 この講演では(affine) Hecke代数の定義、その簡約群の表現論との結びつきの 簡単な解説から出発して3パラメタaffine C型がどのような意味で古典型 affine Hecke代数の頂点に位置するか、そしてaffine Hecke代数に対する Deligne-Langlands分類(元々のDeligne-Langlands分類のaffine Hecke代数に 対応する場合における幾何学的再定式化)とはどのようなもので、その我々の 場合の類似物とはどのようなものかについて概説する。

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Title

安定ホモトピー圏と形式群のモジュライ

Date

2007年10月17日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室127大会議室(理3号館)

Speaker

鳥居 猛 氏(岡山大・自然)

Abstract

 複素コボルディズムは安定ホモトピー圏から形式群のモジュライ空間 上の層に値をもつ関手とみなすことができる。
 この講演では安定ホモトピー圏の構造と形式群のモジュライ空間の 幾何がどのように関係しているかについて紹介する予定です。
 とくに安定ホモトピー圏の基本構成要素である Morava K理論による局所化圏と 形式群の変形理論との関係および Morava E理論について紹介し、 形式群のモノドロミー表現から異なる Morava E理論の間の比較が 得られることについて話す予定です。

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Title

Dynamics of Automorphisms of Compact Complex Manifolds

Date

2007年10月10日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

De-Qi Zhang 氏(National University of Singapore)

Abstract

 We give an algebro-geometric approach towards the dynamics of automorphisms of projective or compact Kaehler manifolds, and study the relation between the geometry of the underlying manifolds and their automorphism groups.
 We confirm a modified conjecture of Gizatullin-Harbourne-McMullen about the relation between the anti-canonical curves on rational surfaces and their automorphism groups.
 We propose a conjecture on automorphism groups of compact Kaehler manifolds in analogue with the classical Tits' Alternative Theorem for general linear groups, and confirm it for surfaces and minimal algebraic threefolds in a joint work with Keum and Oguiso.

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Title

有理型平坦接続の局所構造について

Date

2007年10月3日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室127大会議室(理3号館)

Speaker

望月 拓郎 氏(京大・理)

Abstract

 複素曲線上の有理型接続の局所的な構造は, Hukuhara, Turrittin, Levelt達の研究によって 古くから良く理解されています. すなわち, 接続を 適当な分岐被覆で引き戻して特異点における完備化をとると, 正則特異性をもつような有理型接続を階数が1の有理型接続によって ひねったものの直和(good formal structure)になります. この分解のセクター上への持ち上げとはりあわせ(Stokes structure) によって, 有理型接続の局所構造は記述されるのでした.
 これを曲面上の有理型平坦接続の場合に拡張しようと試みるのは自然です. good formal structureを持つ有理型平坦接続のStokes structureに関しては, Majima, Sabbahによって満足できる一般化が得られています. 一方, 任意の有理型平坦接続を適当な双有理変換で引き戻したものは good formal structureを持つことが期待されていますが(Sabbahの予想), これは意外と難しい問題で今のところ完全な証明は得られていないようです.
 この講演では代数的な場合に上の予想について議論します. 代数曲面上の有理型平坦接続の場合には, 標数pの世界に移って, p-曲率を考えることができます. このp-曲率と接続の特異性の関係, およびp-曲率の固有値の分岐の(pによらない)制御が証明において どのような役割を果たすのかについて概説します. また, この結果のワイルド調和バンドルの研究への応用についても 触れる予定です.

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Title

行列単調関数の3つのタイプ

Date

2007年9月26日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室127大会議室(理3号館)

Speaker

日合 文雄 氏(東北大・情報)

Abstract

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Title

Bounds for the dimensions of p-adic multiple zeta value (L-value) spaces

Date

2007年7月25日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

山下 剛 氏(京大・数理研)

Abstract

 p進多重ゼータ値(多重L値)の次元を代数的K理論と関係する値で上から評価する。 これはGoncharov-寺杣(Deligne-Goncharov)の定理のp進類似である。 p進多重L値の場合は多重L値の時と同様に、一般にこの評価は最善ではなく、 次元とのギャップに保型形式の空間の次元が関係してくる。
 また、混合Tateモチーフの圏のモチーフ的Galois群の特殊元についての Grothendieckの予想のp進類似も定式化する。
 講演は古典的な多重ゼータ値の話から始め、 常にp進側と複素側を比較しながら行うつもりである。

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Title

リカード貿易理論の新構成:中間財を含む一般理論

Date

2007年7月18日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室110講演室(理3号館)

Speaker

塩沢 由典 氏(京大・経営管理大学院)

Abstract

 貿易理論には、大きく分けて、リカード型のものとヘクシャー・オリーン型のものと 二つの流れがある。後者は、レオンチェフのパラドックス(1953)以来、実証的には多 くの不整合が指摘されているが、前者が生産が労働投入のみによって行われるという 仮定に縛られていたため、いまも後者が標準的とされている。今回の結果は、生産技 術として、労働以外に財の投入があり、技術選択と中間財の貿易がある場合を一般的 に扱うものであり、従来のリカード理論のもっていた理論的欠陥を解消している。こ の結果として、貿易パタンのみならず、賃金水準の国際的差異に関する基礎理論が構 築される。数学的には、多次元の線形不等式論あるいは凸多面体論の特殊事例(特殊 な構造をもった扇)に当たる。
Comment
『経済学雑誌』大阪市立大学とEvolutionary and Institutional Economics Reviewの最新号に論文として発表されている。未定校段階のものは、下記からダウン ロードできる。
 http://www.jstage.jst.go.jp/article/eier/3/2/141/_pdf

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Title

高次元ファイバー束のKontsevich特性類について

Date

2007年7月11日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

渡邉 忠之 氏(京大・数理研)

Abstract

 高次元円盤の、境界を固定する微分同相変換全体のなす(無限次元)Lie群を考える。 この群の分類空間は、無限次元ユークリッド空間内に、ユークリッド空間を部分多様 体として滑らかに入れる入れ方全体のなす、「非線形Grassmann多様体」とでもいう べきものとして与えられることが知られている。この分類空間のホモトピー型を決定 するという問題は1960年代辺りから意識され始め、円盤の次元が十分高い範囲(安定 領域)では、Farrell-Hsiangにより有理ホモトピー群が完全に決定されており、最近 ではHatcher, 井草等によりその生成元の具体的な形も得られている。しかし非安定 領域に関しては、初期の結果以外にほとんどわかっていなかった。
 Kontsevichは1992年の彼の論文で、グラフ複体の概念と配置空間積分の技術を開発 し、グラフホモロジーから「枠付」円盤束の分類空間の非安定領域のコホモロジー類 (特性類)を大量生産する枠組みを作った。この講演では、Kontsevichの構成のアイディ アと、講演者の最近の結果:特性類の非自明性、分類空間の有理ホモトピー群の大き さの見積もり、また高次元トポロジーとの関係、などを紹介する予定である。

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Title

楕円曲線と岩澤理論

Date

2007年7月4日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室110講演室(理3号館)

Speaker

栗原 将人 氏(慶應義塾大・理工)

Abstract

 楕円曲線の数論の最も基本的な問題の一つは、 その有理点(有理数解)の様子を知ること、 あるいはその様子をゼータ関数などの 他の数論的不変量と結びつけて、理解することである。 この講演では、有理点や関連した対象の様子が、 p 進的な手法、特に岩澤理論的な手法によって、 どのようにわかるか、についていろいろと述べていく。 このとき重要な役割を果たすのは p 進ゼータである。 楕円曲線が超特異還元をもつ場合にも最近は 理論ができてきており、このことについても 述べる予定である。このときは、困難な場合であると 考えられていたが、わかりやすい 2 つの p 進ゼータ関数を 持つ、ということは逆にメリットにもなり、問題によっては 扱いやすくなる場合もある。たとえば、有理点の階数が 1 の ときには、p 進的な数値計算で有理数解が求められる、などの ことについて説明する。

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Title

代数方程式系の求解のための種々のテクニックの紹介

Date

2007年6月27日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室110講演室(理3号館)

Speaker

野呂 正行 氏(神戸大・理)

Abstract

 理工学のさまざまな分野において, 代数方程式系の求解が必要となる問題は数 多くある. 係数が誤差を持つものとして与えられる場合には, Newton 法ある いはホモトピー法などの数値的方法が適していると考えられるが, 特に数学か ら生じる問題については, 全ての解を厳密に求めることが必要となる場合がし ばしばある. 消去法 (グレブナー基底, 終結式など) および多項式因数分解に 基づく代数的方法はこのような要求に応えるものである. 実際に, これらを用 いてイデアルの準素分解や, 極小素因子計算を行うアルゴリズムが構成されて おり, 入力された代数方程式系の解を既約成分の和集合として表すことは原理 的には可能である. しかし, 実際にさまざまな数学ソフトウェア上に提供され ているトップレベル関数 (通常 solve といった名前) をただ呼び出すだけで は, 少し複雑な問題でも解がいつまでたっても得られないことが多い. 残念な がら, 現状では, ユーザが問題に応じて種々の前処理を行い, システムが解き やすい形にして, さらに計算のためのパラメタを適切に設定する必要がある. 本講演では, とにかく方程式系を解きたいという場合に, どのような手順を踏 めばよいかについて, できるだけ広く応用できる (特定のソフトウェアになる べく依存しない) 形で解説したい. 厳密計算を行うことが目的ではあるが, キーとなるテクニックは近似である. 特に, 有限体上での近似は, 数学から 生じる, 解が「きれい」にかける問題の場合には経験上有用である. 求解中に数多く必要となるグレブナー基底計算, あるいは多項式因数分解 自身も有限体上の近似に基づいている. これについても簡単に触れたい.

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Title

Curves with many rational points and algebro-geometric codes

Date

2007年6月20日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

川北 素子 氏(京大・数理研)

Abstract

 1970年代にGoppaが代数幾何符号を発見し、有限体上において多数の 有理点を持つ代数曲線から効率の良い線形符号を構成できることを 示した。
 有限体と種数を固定したとき代数曲線が持ち得る有理点数について Hasse--Weil上界があり、本上界に到達する代数曲線を最大曲線と言う。 1983年にSerreがHasse--Weil上界に改良を与えた。以下Serre上界と呼ぶ。 最大曲線についてはGarcia、Stichtenothらの研究により、多くの性質が 明らかとなった。しかし、最大曲線でないSerre上界に達する代数曲線に ついては、具体例が殆ど知られていないため、系統的に研究されていない。
 本講演では、有理点を多数持つ代数曲線と符号との関係の解説から出発し、 私が発見した最大曲線でないSerre上界に達する代数曲線について紹介する。 次数12のFermat曲線の商曲線、及びその定義方程式の係数を変えて 得られる代数曲線であり、すべてJacobianが完全分解する。さらに、 これらの代数曲線の定義体を動かしたとき、Serre上界に達するための 有限体の位数の必要十分条件も与えた。

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Title

超越整函数の力学系の測度論的性質について

Date

2007年6月13日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室110講演室(理3号館)

Speaker

木坂 正史 氏(京大・人環)

Abstract

 「反復合成によって複素平面上の(Lebesgue測度に関して)ほとんど すべての点が無限遠点に行く,という性質をもつ超越整函数は存在す るか?」という問題を考えてみる.真性特異点に関する「Picardの定理」 があるので,このような超越整函数の存在は一見すると考えにくいのだが, 実は意外と簡単にそのような具体例は見つけることができる. では一般にどのような超越整函数がこういう性質を持ち得るのだろうか? 本講演ではこの問題に対する1つの解答を与えるとともに,超越整函数 の力学系の測度論的性質に関する一般論について,様々な例を交えなが ら解説する予定である.

Comment

Title

交換子距離、擬準同型と群の双曲性

Date

2007年6月6日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室110講演室(理3号館)

Speaker

藤原 耕二 氏(東北大・情報)

Abstract

 1980年代にグロモフは双曲幾何の一般化として測地空間の双曲性と 有限生成群の双曲性を定義し、長大な理論を展開した。以来、幾何学的群論 という分野を創出するまでになっている。
 講演では、群の双曲性について説明し、その応用について述べる。 論じる群は、リー群の離散部分群、曲面の写像類群、 非正曲率を持つリーマン多様体の基本群などである。
 カギになる道具として、群上の擬準同型がある。ただし、群Gから実数へ の関数fが擬準同型とは、ある定数Cが存在して、Gのすべての元 a, bについて次が満たされることである。
|f(ab)-f(a)-f(b)| < C
 講演では、群の双曲性、擬準同型の存在、交換子距離の関係について説明し、 その応用として、曲面の写像類群や、ランクが2以上の局所対称空間の 特徴付けなどについて論じる。

Comment

Title

Topological complexity of semi- and sub-algebraic sets

Date

2007年5月30日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

Andrei Gabrielov 氏(Purdue University)

Abstract

 Upper bounds for the Betti numbers of real algebraic sets were obtained by Oleinik-Petrovskii (1949), Milnor (1964) and Thom (1965). These bounds, based on Morse theory, were single exponential in the number of variables. Basu (1999) extended these results to real semialgebraic sets defined by equations and non-strict inequalities. However, the best known upper bounds for general semialgebraic sets remained double exponential. Gabrielov and Vorobjov (2005) obtained a single exponential upper bound on the Betti numbers of a general semialgebraic set. Given a semialgebraic set X, a semialgebraic set Y defined by equations and non-strict inequalities is constructed, homotopy equivalent to X. Basu's theorem applied to Y provides an upper bound for the Betti numbers of X.
 A spectral sequence associated with a surjective closed mapping allows one to provide upper bounds for the Betti numbers of a wide class of sets defined by formulas with quantifiers in terms of the Betti numbers of auxiliary sets defined by quantifier-free formulas.

Comment

大談話会


Title

The space of loops, vertex algebras and chiral differential operators.

Date

2007年5月23日(水) 14:40〜15:40

Place

京都大学数理解析研究所 402 号室

Speaker

Mikhail Kapranov 氏(Yale University)

Abstract

 This talk, based on a joint work with E. Vasserot, will discuss the algebraic structure present on the space of formal (Laurent) loops in a manifold. This structure is, on one hand, an infinitesimal analog of the composition of loops and, on the other hand, can be seen as a nonlinear version of the structure of a vertex algebra.
 Chiral differential operators are an example of a vertex algebra which can be defined for any manifold provided some characteristic class vanishes. We give an interpretation of this class in terms of the determinantal anomaly of the loop space.

Comment 15:40-16:30 202号室にてTea Break

大談話会


Title

計算ファイナンスの話題から

Date

2007年5月23日(水) 16:30〜17:30

Place

京都大学数理解析研究所 402 号室

Speaker

楠岡 成雄 氏(東大・数理)

Abstract

 数理ファイナンスは現実の実務の問題に適用される。 そのため、それぞれの確率モデルの下で デリバティブ等の価格式の数値を具体的に高い精度で求める必要がある。 当初、計算可能なモデルを探す努力がなされたが、 そのようなモデルはあまり豊富には存在せず、 現実データを説明するには十分ではなかった。 必然的に、よい近似値を数値計算で求めようということになった。 数値計算・数値解析は古くから研究されており、 初期においては、それら既知の理論を利用して解くということが盛んに行われた。 しかし、すぐにファイナンスの問題をにらんだ解法が必要であるという認識が生まれ、 計算ファイナンス(Computational Finance)という新しい分野が 数理ファイナンスの中に生まれた。
 講演では、計算ファイナンスに関する話題について述べる。 以下のことについて講演する予定である。
1.計算ファイナンスとは
2.高次元積分計算と low discrepancy sequence
3.デリバティブ価格の計算と確率微分方程式
4.オイラー丸山近似と楠岡近似

Comment 15:40-16:30 202号室にてTea Break

Title

Non-homogeneous codimension-one actions of the affine group of the real line.

Date

2007年5月16日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室110講演室(理3号館)

Speaker

浅岡 正幸 氏(京大・理)

Abstract

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Title

有限体上の双曲的曲線の配置空間の数論的基本群のカスプ化

Date

2007年5月9日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

星 裕一郎 氏(京大・数理研)

Abstract

 代数多様体、特に代数曲線の数論的基本群は、数論幾何学における 一つの重要な研究対象である。代数曲線の数論的基本群の研究として、 「与えられた代数曲線の数論的基本群から、その開部分スキームの 数論的基本群を復元することができるか?」という「カスプ化問題」 と呼ばれる問題を考えることができる。また、与えられた代数曲線の 配置空間はその曲線の開部分スキームのモジュライ空間と考えられる ので、配置空間の数論的基本群(と配置空間の射影たちから誘導され る基本群の間の射たち)の復元は、その問題の普遍的な場合と考える ことができる。本講演では、「数論的基本群」という概念についての 簡単な復習を行った後、有限体上の双曲的代数曲線の配置空間の数論 的基本群に対するカスプ化について説明をする。

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Title

マルコフ連鎖を用いた完璧サンプリング法

Date

2007年4月25日(水) 15:00〜16:00   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

来嶋 秀治 氏(京大・数理研)

Abstract

 マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC: Markov chain Monte Carlo)法は, 数値積分,シミュレーションなどに用いられる非常に強力な確率的計算 法であり,特に,ランダムサンプリング自体が困難な対象に対して効果 を発揮する.
 一般にマルコフ連鎖の推移を有限回で打ち切ると,定常分布との"誤差" が残ってしまう.通常のMCMCサンプリングは,マルコフ連鎖の収束具合 を見積もり,定常分布との誤差を保証する「近似サンプリング法」である. これに対し,1996年にPropp and Wilsonの提案した CFTP(coupling from the past)アルゴリズムは,マルコフ連鎖のシミュレーション自体を工夫 することで定常分布に厳密に従う「完璧サンプリング法」を実現するもの である.
 本講演ではCFTPアルゴリズムについて述べる.また,CFTPアルゴリズム を効率的に実行するための概念,マルコフ連鎖の「単調性」について, 講演者らの行った2行分割表のランダム生成法を例に説明する.

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Title

境界上のパルス解の運動について

Date

2007年4月25日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

栄 伸一郎 氏(九大・数理)

Abstract

 Gierer-Meinhardt モデルなど, 境界上にスパイク状のパルス解を持 つ方程式は, 境界上の最大曲率の位置に安定なパルス定常解を有するこ とが知られており, これまで関連する多くの研究があるが, ダイナミク スの観点から論じられた結果は殆どなかった.本講演では, 境界上を運 動するパルスのダイナミクスを記述する方程式を抜き出し, ある種の Gierer-Meinhardt モデル方程式では, 最大曲率の位置に定常解が存在 することが, 帰着されたパルスの運動方程式から自然に導かれることを 示す.

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Title

Solvability and the Nirenberg-Treves Conjecture

Date

2007年4月18日(水) 16:30〜17:30   (16:00より205談話室でTea)

Place

京都大学大学院理学研究科数学教室110講演室(理3号館)

Speaker

Nils Dencker 氏(Lund University (Sweden))

Abstract

 In the 1950's, the general mathematical opinion was that all linear partial differential equations were solvable. Therefore, it came as a surprise when Hans Lewy in 1957 found a non-solvable complex vector field. The vector field is a natural one, it is the Cauchy-Riemann operator on the boundary of a strictly pseudo-convex domain. The fact is that almost all linear partial differential equations are unsolvable, because of the H\"ormander bracket condition.
 A rapid development lead to the conjecture by Nirenberg and Treves in 1969: condition ($\Psi$) is necessary and sufficient for the solvability of differential equations of principal type. This is a condition which involves only the sign changes of the coefficients of the imaginary part of the highest order term of the operator along the bicharacteristics of the real part.
 The Nirenberg-Treves conjecture has recently been proved, see Annals of Mathematics, 163:2, 2006. We shall present the background and the ideas of the proof.

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Title

相互作用の幾何、線型分解とトレース付きモノイダル圏

Date

2007年4月11日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

長谷川真人 氏(京大・数理研)

Abstract

 1980年代後半に、Girardは、証明論における三段論法の除去の過程のモ デルとして相互作用の幾何(Geometry of Interaction、GoI)を提案しました。 その後、GoIは、Abramskyらにより、双方向のコミュニケーションを伴う計算 のモデルを構成する技法として位置づけられ、90年代半ばには、Joyal、 Street、Verityの、トレース付きモノイダル圏(traced monoidal category) からトーティルモノイダル圏(tortile monoidal category、ribbon category またはbraided compact closed category)を構成する一般的な方法の、特殊な 場合になっていることが明らかになりました。
 トレース付きモノイダル圏は、そのモノイダル積が直積である場合には、 再帰プログラムの意味論で用いられている不動点演算子を持つ圏に他なりませ ん(長谷川、Hyland)。したがって、GoIは、再帰プログラムのモデルから、 双方向計算のモデルを作り出す仕組みとして用いることが出来ます。
 ところで、GoIとは別に、「線型な」計算ないし論理のモデルから、非線型 な(というより通常の)計算/論理のモデルを作り出す一般的な方法(線型分 解、linear decomposition)が、やはりGirardが考案した線型論理(linear logic)の枠組みに基づいて広く用いられています。先述のトーティルモノイ ダル圏も線型な計算のモデルになっていますので、トーティルモノイダル圏か ら適当な線型分解により非線型な計算モデルを得ることが出来ます。得られる モデルは、一体どのようなものでしょうか?
 この講演では、GoIとトレース付きモノイダル圏、線型論理のモデルの理論 と線型分解について紹介したあと、適当な条件のもとで、GoIが線型分解の 「逆」になっていること、そしてその簡単な応用として、再帰を持つ型付きラ ムダ計算の任意のモデル(トレース付きカルテジアン閉圏)は、あるトーティ ルモノイダル圏から線型分解によって得られるモデルと同値になることを示し ます。時間が許せば、ゲーム意味論という比較的新しい計算モデルの理論との 関係についても考察したいと思います。

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Title

Practice and theory in computational applications of the exact JWKB method to quantum problems involving tunneling

Date

2007年1月31日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

Harris J. Silverstone 氏(Johns Hopkins Univ. & RIMS, Kyoto Univ.)

Abstract

 The JWKB method has been used in quantum mechanics for over 80 years. Its unique advantage is an explicit tractable procedure to generate the wave function as a series in powers of h. Its disadvantages are its divergence, its singularities at classical turning points with consequent “connection formulas,” and long-standing confusion about connection-formula“directionality.” Practical calculations typically have used low-order partial sums with error estimates to justify results.
 Although the Borel summability of the JWKB expansion has been known for 20 years, the exact JWKB method has not seen extensive physical appli- cation, perhaps because of practical and theoretical impediments, especially when there is tunneling: for instance, a double-well potential or decay of a metastable resonance. There is a dearth of practical paradigms.
 The aim of this work is in part exploratory and in part paradigmatic: to find exact JWKB solutions for decay and eigenvalue problems constructed from a parabolic barrier potential. In the process, practical complications caused by coalescence of Stokes lines, numerical procedures for approximate Borel summation, and the necessity to find the exact Borel sum of a normalization series (Sato’s conjecture on the comparison between asymptotic solutions and JWKB solutions of the Weber equation) are explained and solved. A short proof of Sato’s conjecture will be given.

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Title

拡大的マルコフ系に関する素数定理型定理について

Date

2007年1月17日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

盛田 健彦 氏(広島大・理)

Abstract

 連分数変換とよばれる単位区間上の力学系の周期軌道に,特殊な重みを付け て,形式的にオイラー籍を作ると,モジュラー曲面とよばれる特異点を許容し たリーマン面に関するセルバーグゼータ関数を表すことができる.さらに熱力 学形式という手法を用いれば,セルバーグ跡公式を用いなくてもモジュラー曲 面の閉測地線に関する素数定理型定理を示すことができる.本講演では,連分 数変換が拡大的マルコフ系とよばれる力学系の典型例であることに注目し,更 に一般の拡大的マルコフ系に熱力学形式を適用して素数定理型定理を証明し, それを応用して新たな結果を得ようという一つの試みについて話をしたいと思 う.

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Title

極小モデル, フリップの存在について

Date

2007年1月10日(水) 16:30〜17:30   (16:00より1階ロビーでTea)

Place

京都大学数理解析研究所 202 号室

Speaker

高木 寛通 氏(東大・数理)

Abstract

Birkar, Cascini, Hacon, Mckernan による一般型代数多様体の極小モデルの 存在証明について話す. 談話会では技術的な細部には立ち入らず, 主に, その応用について述べる (4人の共著論文の一章に相当する部分). 具体的には
・(対数的)標準環の有限生成性
・二つの双有理同値な一般型極小モデルがフロップの列で結ばれること
・klt 対に対するフリップの存在.
・標準因子が有効因子の極限でない代数多様体は, 森ファイバー空間に  双有理同値なこと
・豊富な標準因子をもつ代数多様体のモジュライ空間の幾何学的に意味  のあるコンパクト化
など(すべて任意次元である). また, 未解決問題についても触れる.

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