数学談話会
2004年12月15日(水)15:00~17:30 (16:00-16:30 談話室でTea) | |
場所: | 京都大学大学院理学研究科 数学教室大会議室 |
1,15:00-16:00 | |
「保型グリーン関数のフーリエ係数とその応用」 | |
都築 正男 氏 (上智大・理工) | |
2,16:30-17:30 | |
「リーマン面のモジュライ空間上の森田マンフォード類を あらわす微分形式について」 | |
河澄 響矢 氏 (東大・数理) | |
アブストラクト | |
●都築氏 「保型グリーン関数のフーリエ係数とその応用」 U(n,1)の部分群 U(n-1,1)に由来するmodular因子に対する保型グリーン関数の、 U(n,1)の極大巾単部分群の指標に沿ったフーリエ係数を具体的に計算すると、 古典的な上半平面上のMaass波動形式のフーリエ係数(のある平均)をその極の留数にもつKlloosterman-Selberg zeta関数が現れる。 一方で、保型グリーン関数のスペクトル展開を通して、 その同じ留数がU(n,1)上の波動関数を含むある積分で表されることから得られる等式とその応用について報告する。 | |
●河澄氏「リーマン面のモジュライ空間上の森田マンフォード類をあらわす微
分形式について」
リーマン面のモジュライ空間の安定コホモロジーは、
代数トポロジーの手法によって I. Madsen と M. Weiss によって明らかにされた。
とくに有理安定コホモロジーは森田マンフォード類たちの多項式代数になることが証明された。
しかし、このことは実曲面束の研究の終わりを意味するものではない。
グラスマン多様体の安定コホモロジーが分かったからといってベクトル束の研究が終焉するわけではないのと事情は同じである。
森田マンフォード類を表す「標準的な」微分形式とは何か? ということを考えたい。すでに S. Wolpert は、 森田マンフォード類の元々の定義をなぞって双曲計量の曲率形式から計算される微分形式を具体的な二次微分として表しており、 とくにヴェイユ・ピーターソン・ケーラー形式が第一森田マンフォード類を表すことを証明した。 しかし、高次の森田マンフォード類について双曲ラプラシアンのレゾルベントが現れることや、 リーマン面の個性(超楕円性など)が見えにくいことなどトポロジーの立場からは不満がある。 ここでは、ジョンソン準同型を用いた森田マンフォード類の別の構成法から出発して微分形式を構成する。 マグナス展開の空間というものを設定するとその上にねじれ係数森田マンフォード類とその関係式たちを表す微分形式の列が構成できる。 タイヒミュラー空間からマグナス展開の空間への標準的な写像が存在するのでそれで引き戻すのである。 我々の構成法では、高次の森田マンフォード類を表す微分形式が一意的でない(一意的でない部分に、 スタシェフ結合多面体が関係しているようである。)だけでなく、 第一森田マンフォード類についてさえも課題が山積しているが、 超楕円的リーマン面上ではすべての次数の森田マンフォード類が微分形式として 0 になっているなど、 より詳しい幾何が反映していることは確かである。 | |
日時: | 2004年12月8日(水) 16:30~17:30 (16:00より談話室でTea) |
場所: | |
小澤 徹 氏 (北大・理) | |
題目: | 非線型波動方程式の自己相似解 |
Abstract: | [pdf] |
2004年12月1日(水)15:00~17:30 (16:00-16:30 談話室でTea) | |
場所: | 京都大学大学院理学研究科 数学教室大会議室 |
1,15:00-16:00 | |
「Fermion point processes and their related topics」 | |
白井 朋之 氏 (九大・数理) | |
2,16:30-17:30 | |
「2次元 Brill-Noether 軌跡」 (Brill-Noether locus over surfaces) | |
吉岡 康太 氏 (神戸大・理) | |
アブストラクト | |
●白井氏 「Fermion point processes and their related topics」
Fermion point process はその名の通り物理的な背景をもつ点過程の一例として1970年代に導入された.
その分布密度と相関関数が行列式を用いて表現されるという大きな特徴がある.
その後それ自身としては大きな進展もなかったが,
ランダム行列(特に Gaussian Unitary Ensemble)の固有値が Fermion point process となるという事実を背景に
1990年代のランダム行列理論の大きな発展とともに見なおされ,
1990年代後半に一般化した形での Fermion point process が定式化され,
点過程としての性質や極限定理なども調べられた.
この講演では Fermion 点過程の性質といくつかの例を述べる. また関連した話題についても触れる. | |
●吉岡氏「2次元 Brill-Noether 軌跡」 曲線上の直線束や安定ベクトル束のモジュライ空間についてのBrill-Noether 軌跡は曲線自身の研究に役立つことから詳しく調べられている。 たとえば向井Brill-Noether 理論を使って標準曲線, K3 曲面, Fano 3-fold を総合的に研究している. 講演では曲面(特に K3 曲面)上の層のモジュライ空間についての基本的性質を述べた後、 曲面上の層のモジュライに関する Brill-Noether 軌跡について考える。 とくに中島啓による McKay 対応、アフィンリー環の表現の構成との関係について説明する。 |
1. | 「Eigenvalues of elliptic operators and geometric applications」 [pdf] | |
Prof. Alexander Grigor'yan (Imperial College and Kyoto University) | ||
2. |
「離散群に対する固定点定理」 “Fixed-point theorems for discrete groups” | |
納 谷 信 氏 (名大・多元数理) Prof. Shin NAYATANI (Univ. of Nagoya) | ||
カズダンの性質Tをもつ群のヒルベルト空間あるいは樹木への等長的作用が 固定点をもつという結果は、離散群に対する固定点定理の雛形といえる。 また、半単純リー群や半単純代数群の格子に対するマルグリスの超剛性定理も、 そのような群の非コンパクト型対称空間あるいはブリュア - ティッツ ビルディングへの等長的作用に関する固定点定理という側面をもつ。 この講演では、群が単体複体の基本群である場合に、これらの固定点定理を、 作用する空間がCAT(0)空間(アレクサンドロフに意味で非正曲率をもつ距離空間 のグロモフによる呼称)である場合へ一般化する試み(M.T.ワン、グロモフ、 講演者と井関による)について、調和写像を用いる方法や応用例とともに述べる。 |
日時: | 2004年11月17日(水曜日)14:40より | |
場所: | 京都大学大学院理学研究科数学教室大会議室(講演) | |
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123号室 (Tea Break) |
Program
Prof. Alexander Grigor'yan | 14:40-15:40 | 大会議室 |
─Tea Break─ | 15:40-16:30 | 123号室 |
納 谷 信 氏 | 16:30-17:30 | 大会議室 |
日時: | 2004年11月10日(水)16:30~17:30 (16:00より1階ロビーでtea) |
場所: | 京都大学数理解析研究所 202 号室 |
講演者: | 木上 淳 氏(京大・情報) |
題目: | Nash 不等式の局所化と熱核の Li-Yau 型の空間非一様な漸近評価 |
Abstract: | [pdf] |
日時: | 2004年10月27日(水)16:30~17:30 (16:00より1階ロビーでtea) |
場所: | 京都大学数理解析研究所 202 号室 |
講演者: | 名和 範人 氏(阪大・基礎工) |
題目: | 非線形 Schrödinger 方程式の爆発解と Nelson 過程の道の幾何 |
Abstract: | [pdf] |
日時: | 2004年10月20日(水)16:30~17:30 (16:00より1階ロビーでtea) |
場所: | 京都大学数理解析研究所 202 号室 |
講演者: | 竹井 義次 氏(京大・数理研) |
題目: |
WKB 解析と(高階)Painlevé方程式 --- WKB 解析と``可積分性''の関連をめぐって --- |
Abstract: | [pdf] |
日時: | 2004年10月13日(水)16:30~17:30 (16:00より1階ロビーでtea) |
場所: | |
講演者: | 日野 正訓 氏 (京大・情報) |
題目: | Small-time asymptotic estimates in local Dirichlet spaces |
Abstract: | [pdf] |
日時: | 2004年10月6日(水) 16:30~17:30 (16:00より談話室でTea) |
場所: | |
辻井 正人 氏 (北大・理) | |
題目: | 太ったソレノイドアトラクター |
Abstract: | |
力学系の双曲的アトラクターは一般的には不安定方向に滑らかにのびた多様体
の族になり,安定方向の断面を見るとカントール集合の構造を持つ.しかし,
写像が単射でない場合に安定方向の縮小が弱くなると安定方向の断面に現れる
カントール集合の次元が大きくなり,ついには安定方向の次元に一致してアト
ラクターは安定方向についても滑らかになると考えられる.今回の講演ではそ
のようにして現れる「太った」アトラクターについて述べたい.技術的にはフ
ラクタル幾何学の手法を用いて安定方向のアトラクターの滑らかさを評価する
ことになる.
結果や証明から得られる1つの重要な考えは,不安定方向(の一部の方向の) のカオス的な振る舞いが横断的な方向に「確率論的摂動」として働くことで系 を安定化させる働きがあるということである.相空間の次元の高い力学系では (構造安定ではないはずの)ストレンジアトラクターが比較的安定的に観測さ れるということが多くの人によって指摘されているが,このことを一つの理由 と考えることは少し飛躍しすぎだろうか. | |
日時: | 2004年7月7日(水) 16:30~17:30 (16:00より談話室でTea) |
場所: | |
加藤 毅 氏(京大・理) | |
題目: | 無限次元シンプレクティックキャパシティー |
Abstract: | |
同じ次元のシンプレクティック多様体の間の埋め込みには、 定量的な条件が必要であることがグロモフによって明らかにされた。 これをもとにホーファーとゼーンダーが、 シンプレクティック多様体上のキャパシティー不変量の公理を与え、 ハミルトン関数を用いた新しいものを構成した。 これらはククシンによってヒルベルト空間の開集合上の不変量に拡張されたが、 ここではさらに有限次元シンプレクティック多様体の無限列で与えられる、 無限次元シンプレクティック多様体上に拡張したものについて話したい。 | |
日時: | 2004年6月30日(水) 16:30~17:30 (16:00より談話室でTea) |
場所: | |
渡部 善隆 氏(九大・情報基盤センター) | |
題目: | 精度保証付き数値計算のエッセンス |
Abstract: | |
コンピュータで実行できる実数値の計算は有限桁の浮動小数点数による近似計算であり, その演算結果には丸め誤差と呼ばれる近似誤差が生じます. 近年,浮動小数点演算における丸め誤差を含む演算結果の保証が理論的にも実用的にも高い精度で効率よく実現できることが明らかにされ, 計算結果の信頼性(品質保証)の問題が計算理工学の分野で関心を集めています. また,計算結果の信頼性の問題は数値解法アルゴリズムそのものにも影響を与え, 様々な数理科学上に現れる問題の解それ自体を数学的な厳密さで検証するという方向にまで進展しつつあります. 談話会では,精度保証付き数値計算法と呼ばれるこの種の数値計算手法を紹介し, 「何ができるか」を,また,研究発表でありがちな長所の宣伝ばかりでなく「何ができないか」も分かりやすくお伝えできればと考えています. | |
日時: | 2004年6月23日(水)16:30~17:30 (16:00より1階ロビーでtea) |
場所: | 京都大学数理解析研究所 202 号室 |
講演者: | 平井 広志 氏(数理研) |
題目: | 進化系統樹の組合せ論 |
Abstract: | |
生物学の分野において生物のDNAデータから、 進化の枝分かれを示す系統樹を推定することは、 基本的な問題である。特に生物間の距離がデータとして与えられたときは、 その距離行列に「フィット」する 木の上の距離「tree metric」を探す問題となる。 本講演では、この問題の数理的側面を解説したい。 特にtree metricを特徴づける「4点条件」、 A. Dressらによって提案された距離行列から決まる 「tight span」と呼ばれる(非凸な)多面体的集合、 そして「スプリット分解法」と呼ばれる系統樹構成アルゴリズムについて解説する。 時間が許せば、これに関連した私自身の研究成果も紹介したい。 | |
日時: | 2004年6月16日(水) 16:30~17:30 (16:00より談話室でTea) |
場所: | 京都大学大学院理学研究科 数学教室大会議室 |
太田 慎一 氏(京大・理) | |
題目: | CAT(K)空間の拡張とグラフ近似 |
Abstract: | |
CAT(K)空間とは,ある意味で断面曲率が定数K以下であるような距離空間である. それは,任意の測地三角形が定曲率Kをもつリーマン多様体のそれより`痩せている'という条件で定義され, 曲率K以下のリーマン多様体の列のGromov-Hausdorff極限として自然に現れる対象である. この講演では,Kが非正ならばCAT(K)なグラフは樹木に限られる, という事実に注目し,CAT(K)空間の定義を少し緩めることで, 任意のCAT(K)空間を近似できる程豊富なグラフの族が得られることを述べる. | |
日時: | 2004年6月9日(水)16:30~17:30 (16:00より1階ロビーでtea) |
場所: | 京都大学数理解析研究所 202 号室 |
講演者: | Prof. Kentaro Hori (RIMS / Univ. of Toronto) |
題目: | Mirror Symmetry |
Abstract: | |
物理学者の夢は量子力学と一般相対論が統合された理論的枠組みを発見することである。 それは量子論/相対論によって発見され、 発展してきた数学の各分野をも統一するようなものであってほしい。 弦理論はそのような枠組みの第一候補である。 ミラー対称性は弦理論の研究において ``数学分野の統一"が実際に起りつつあることを示す一例を与えている。 |
京都大学数学大談話会のご案内
1. | 「回転球面上の流体運動」 | |
山田 道夫 氏 (京大・数理研) | ||
地球や惑星における大気などの大規模流体現象は流体力学の新しい対象である. 多くの日常的流体現象では,経験から流れのパターンの予想が可能なことが多い. しかし大規模流体現象については, 線形運動の範囲では多くの性質が分かっているものの現実の非線形運動については基本的なパターンすら不明な場合が多い. ここでは,最も簡単なモデル流体系として, 回転する球面上の2次元Navier-Stokes方程式に支配される流れについて, いくつかの基本的性質に触れた後,乱流を含む一連の数値実験の結果を紹介する. 特に,木星表面の縞模様などに見られる帯状流の形成や, 帯状流における流れ領域境界の効果などについて,数値的な結果を議論する. | ||
2. | 「基本群のホッジ構造とAssociator」 | |
寺杣 友秀 氏 (東大・数理科学) | ||
Associatorは射影直線から3点を除いたものの基本群 にはいるホッジ構造を定める。Racinet,Ihara-Kaneko-Zagierの regularized harmonic shuffle relationとの関係やmapping class groupにはいるホッジ構造やDeligne-Iharaのfreeness予想との 関連について述べたい。 |
日時: | 2004年6月2日(水曜日)14:40より | |
場所: | 京都大学数理解析研究所 | 420号室 (講演) |
Program
山田 道夫 氏 | 14:40-15:40 | 420号室 |
─Tea Break─ | 15:40-16:30 | 202号室 |
寺杣 友秀 氏 | 16:30-17:30 | 420号室 |
日時: | 2004年5月26日(水)16:30~17:30 (16:00より1階ロビーでtea) |
場所: | 京都大学数理解析研究所 202 号室 |
講演者: | Prof. Valery Alexeev (RIMS / Univ. of Georgia) |
題目: | Toric degenerations of spherical varieties |
Abstract: | |
Toric varieties are some of the simplest algebraic varieties. For
example, any question about projective toric varieties can be
reformulated as a question about polytopes with integral vertices (and
vice versa). Many problems about algebraic varieties were first answered
in the toric case. An important example is Batyrev's combinatorial
Mirror Symmetry for Calabi-Yau hypersurfaces in toric Fano varieties.
Spherical varieties provide a bigger class, with the torus replaced by a reductive group such as GL(n,C). Examples include homogeneous varieties (grassmanians, flag varieties...) and normal compactifications of reductive groups. Gonciulea and Lakshmibai proved that a flag variety (ordinary, i.e. over GL_n) can be degenerated to a projective Gorenstein toric variety. Givental, Batyrev et al used this degeneration to construct mirrors to Calabi-Yau hypersurfaces in flag varieties. I will explain the most general result, contained in a joint paper with Brion (and available at http://arxiv.org/abs/math.AG/0403379): any affine or projective spherical variety over any reductive group admits a flat degeneration to an affine, resp. projective, toric variety. I will also describe the resulting polytopes in some detail. Finally, I will explain the meaning of these degenerations from the point of view of Minimal Model Program. | |
日時: | 2004年5月19日(水) 16:30~17:30 (16:00より談話室でTea) |
場所: | 京都大学大学院理学研究科 数学教室大会議室 |
関口 次郎 氏 (東京農工大・工) | |
題目: | 双二次形式への合同作用による軌道の幾何 [pdf] |
日時: | 2004年5月12日(水)16:30~17:30 (16:00より1階ロビーでtea) |
場所: | 京都大学数理解析研究所 202 号室 |
講演者: | 上田肇一 氏 (数理研) |
題目: | 散逸系における遷移ダイナミクス |
Abstract: | |
90年代始めからいくつかの化学反応によって興味深いパターンが 発見されており、その中でも自己複製パターンと呼ばれるものが注目されている。 自己複製パターンとはスポット状の空間局在パターンが細胞分裂の ように分裂を繰り返すことによって形成される空間周期パターンである。 この現象はGray-Scottモデルに代表される反応拡散方程式によって数値的 に再現されており、解析的な研究によって局在スポットパターンや周期パターン の性質も盛んに調べられてきた。 一方、初期の単独スポットパターンから空間周期パターンがどのような 過程によって形成されるかといった遷移ダイナミクスに関しては未解決な問題が多く、 近年、数値的手法も含めた新たなアプローチが提案されるなど、様々な手法によって 研究されている。 本講演では自己複製パターンの分裂の仕方について、数値実験的手法とパルス間相互作用 の理論を組み合わせることによって得られた結果を報告する。 また、時間とともに拡大する領域における分裂パターンの遷移過程についても触れる予定である。 | |
日時: | 2004年4月28日(水) 16:30~17:30 (16:00より談話室でTea) |
場所: | 京都大学大学院理学研究科 数学教室大会議室 |
泉 正己 氏 (京大・理) | |
題目: | C* 環の分類理論 [pdf] |
日時: | 2004年4月21日(水)16:30~17:30 (16:00より1階ロビーでtea) |
場所: | 京都大学数理解析研究所 202 号室 |
講演者: | 川北真之 氏 (数理研) |
題目: | 3次元代数多様体の明示的研究 |
Abstract: | |
各双有理同値類に著しい性質を持つ多様体を見つけてそれを具体的に調べ上げることは、
代数幾何学の究極の目標の一つである。
この観点から極小モデルプログラム(MMP)が定式化された。
MMPは、与えられた代数多様体に対して、
因子収縮写像およびフリップから構成される双有理変換の有限列を経て調べやすい代数多様体を与える。
3次元で森がフリップの存在を示してMMPを完成させて以来、
その高次元化は未完成のまま残されている。一方、
3次元MMPの完成によって、
出力として得られる3次元多様体の明示的研究が発展してきた。特に、
同じ多様体から出発して得られる森ファイバー空間同士は、
両者のファイバー構造が本質的に異なる可能性があり、興味深い研究対象である。
講演では極小モデル理論の概説から出発し、 3次元多様体の明示的研究の現在の方向を解説する。最後に、 その中に位置する私の3次元因子収縮写像の明示的研究の成果を紹介する。 | |
日時: | 2004年4月14日(水)16:30~17:30 (16:00より談話室でTea) |
場所: | 京都大学大学院理学研究科 数学教室大会議室 |
講演者: | 堤 誉志雄 氏 (京大・理) |
題目: | Well-posedness of the Cauchy problem for the modified KdV equation with periodic boundary condition [pdf] |
日時: | 2004年1月14日(水) 16:30-17:30 (16:00より談話室でTea) |
場所: | 京都大学大学院理学研究科 数学教室大会議室 |
Daniel Huybrechts 氏 (Paris VII 大学) | |
題目: | Geometries of K3 surfaces and their symmetries |
Abstract: | |
The theory of K3 surfaces combines in a fascinating way complex, algebraic,
and symplectic geometry. A good deal is known about this important class of
complex surfaces, but many questions remain open. (Even one version of the
Global
Torelli theorem as formulated by A. Weil is still not proven.)
Starting with a few historical comments, we will sketch some of the more recent developments related to K3 surfaces. In particular, we will touch upon mirror symmetry for K3 surfaces and its formulation using generalized Calabi--Yau structures introduced by Hitchin. Although it has been clear for a long time that special symplectic structures on K3 surfaces (so called hyperk\"ahler structures) provide a powerful tool in the theory, it is only now that the true nature of the interplay between complex and symplectic structures becomes apparent. More specifically, we will explain how to view symplectic and complex structures on the differentiable manifold $M$ underlying the quartic $Z(x_0^4+x_1^4+x_2^4+x_3^4)\subset\IP^3$ as special examples of generalized Calabi--Yau structures. In particular, both types of geometries are parametrized by the same moduli space. It turns out that this moduli space has a natural symplectic structure with respect to which the symplectic structures on $M$ form a Lagrangian. |
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